国民アンケート調査 DDL (デンタルデータライブラリ)


第51回 国民アンケート調査報告
「治療が上手なドクターとはどのようなドクターか?」

調査対象期間:2010年7月9日〜7月23日

今回は、治療が上手なドクターとはどのようなドクターか?をCS分析の手法を応用して調査した。

Q5では、かかりつけの歯科医院でドクターの治療について調査した。
Q6では、かかりつけの歯科医院の治療の痛みについて調査した。
Q7では、かかりつけの歯科医院の治療の早さについて調査した。
Q8では、かかりつけの歯科医院の治療の丁寧さについて調査した。
Q9では、かかりつけの歯科医院の説明について調査した。
Q10では、かかりつけの歯科医院のドクターについて調査した。
Q11では、かかりつけの歯科医院のドクターの話し易さについて調査した。
Q12では、かかりつけの歯科医院のドクターは患者の話を良く聞くかを調査した。
Q13では、かかりつけの歯科医院におけるトラブルの配慮について調査した。
Q14では、かかりつけの歯科医院の院内の清潔さについて調査した。
Q15では、かかりつけの歯科医院の治療機器について調査した。
Q16では、かかりつけの歯科医院での保険と自費の受診について調査した。


1. 調査結果要約

今回の調査から、次のような事が分かった。

  1. 治療が上手なドクターは、「治療が丁寧」なドクターと関連性が高いことが分かった。
  2. 治療が上手なドクターと認知してもらうために、「治療が丁寧」「治療が手早い」「話を聞く」ことを改善すると、患者さんから治療が上手だと感じられる傾向が強い。
  3. 「痛みに対する対応」「治療設備の拡充」は、納得度が低いので、別途改善する必要がある。

2. 調査結果

Q1)年齢 Q2)性別 Q3)職業 Q4)地域別

回答者は1401人。男性と女性は50%の割合。
回答者を年齢別に見ると、10代が4%、20代が19%、30代が31%、40代が24%、50代が15%、60代が6%となった。
職業別に見ると、37%が会社員で次いで、主婦が20%、パート・アルバイトが12%を占めている。
地域別に見ると21%が都市型、79%が郊外型の歯科医院を利用している。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図5]

Q5
ドクターは治療が上手ですか?


Q5では、かかりつけの歯科医院でドクターの治療について調査した(図5参照)
「かかりつけの歯医者さんについてお聞きします。ドクターは治療が上手ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」7%、「どちらでもない」30%、「そう思う」52%、「すごくそう思う」10%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図6]

Q6
ドクターの治療は、痛くないですか?


Q6では、かかりつけの歯科医院の治療の痛みについて調査した(図6参照)
「ドクターの治療は、痛くないですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」15%、「どちらでもない」30%、「そう思う」45%、「すごくそう思う」8%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図7]

Q7
ドクターの治療は、手早いですか?

Q7では、かかりつけの歯科医院の治療の早さについて調査した(図7参照)
「ドクターの治療は、手早いですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」11%、「どちらでもない」31%、「そう思う」47%、「すごくそう思う」9%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図8]

Q8
ドクターの治療は、丁寧ですか?


Q8では、かかりつけの歯科医院の治療の丁寧さについて調査した(図8参照)
「ドクターの治療は、丁寧ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」7%、「どちらでもない」21%、「そう思う」55%、「すごくそう思う」16%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図9]

Q9
ドクターの説明はわかりやすく、
十分に理解できますか?


Q9では、かかりつけの歯科医院の説明について調査した(図9参照)
「ドクターの説明はわかりやすく、十分に理解できますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」0%、「そう思わない」9%、「どちらでもない」19%、「そう思う」54%、「すごくそう思う」18%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図10]

Q10
ドクターは親切ですか?


Q10では、かかりつけの歯科医院のドクターについて調査した(図10参照)
「ドクターは親切ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」7%、「どちらでもない」19%、「そう思う」52%、「すごくそう思う」21%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図11]

Q11
ドクターは話しやすいですか?


Q11では、かかりつけの歯科医院のドクターの話しやすささについて調査した(図11参照)
「ドクターは話しやすいですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」3%、「そう思わない」11%、「どちらでもない」25%、「そう思う」47%、「すごくそう思う」14%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図12]

Q12
ドクターは患者の話をよく聞いてくれますか?


Q12では、かかりつけの歯科医院のドクターは患者の話をよく聞くかを調査した(図12参照)
「ドクターは患者の話をよく聞いてくれますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」9%、「どちらでもない」25%、「そう思う」52%、「すごくそう思う」13%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図13]

Q13
ドクターは、治療中・治療後の痛みや
トラブルに対して配慮していますか?


Q13では、かかりつけの歯科医院におけるトラブルの配慮について調査した(図13参照)
「ドクターは、治療中・治療後の痛みやトラブルに対して配慮していますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」7%、「どちらでもない」22%、「そう思う」54%、「すごくそう思う」15%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図14]

Q14
院内は清潔に保たれていますか?


Q14では、かかりつけの歯科医院の院内の清潔さについて調査した(図14参照)
「院内は清潔に保たれていますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」3%、「どちらでもない」11%、「そう思う」57%、「すごくそう思う」28%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図15]

Q15
最新の治療機器の設備は整っていますか?


Q15では、かかりつけの歯科医院の治療機器について調査した(図15参照)
「最新の治療機器の設備は整っていますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」9%、「どちらでもない」32%、「そう思う」45%、「すごくそう思う」13%となった。

保険治療
自費治療

[図16]

Q16
治療を受ける際、
保険治療と自費治療どちらを選択しますか?


Q16では、かかりつけの歯科医院での保険と自費の受診について調査した(図16参照)
「治療を受ける際、保険治療と自費治療どちらを選択しますか?」という質問に、「保険治療」96%、「自費治療」4%となった。

全くそう思わない そう思わない どちらでもない
そう思う すごくそう思う
[図17-1]

治療が上手なドクターの特徴


今回は、歯科医院における「治療が上手なドクター」の特徴を調査した。CS分析の手法を応用し、かかりつけの歯科医院のドクターのイメージを調査した後、Q5の「ドクターは治療が上手ですか?」を目的変数にして比較した。 Q5からQ15の各質問において、5段階に対する回答者の割合を示す(図17-1参照)


[表17]


続いて、目的変数であるQ5とQ6からQ15までの項目の関連の強さを調べた。右の表に示す(表17参照)

納得度(%)は、各項目の「そう思う」「すごくそう思う」の合計の割合を示す。重要度は、各評価項目(Q6からQ15)と目的変数Q5とのクロス集計を行い、それぞれのクロス集計について独立変数を算出したものである。重要度が高ければ、目的変数の要素を高める要因と判断できる。納得度偏差値は各評価項目の納得度を偏差値に換算したものである。同様に、重要度偏差値も各評価項目の重要度を偏差値に換算したものである。


[図17-2]


[図17-3]

独立変数は目的変数との関わり合いの強さを示す。そのため、「治療が上手」と考える要素は独立変数の値が高くなると考える事が出来る。この仮説をベースとすると、「治療の丁寧さ」が「治療が上手」と関連性が強いことが分かる(図17-2参照)



さらに、今後、治療が上手と思って頂けるために力を入れるポイントを分析した。納得度偏差値を縦軸に、重要度偏差値を横軸にプロットしグラフを作成した(図17-3参照)。グラフから重要度が高いにもかかわらず、納得度が低い項目は優先的に改善すべき点である(CSグラフの右下部分に相当する)。それらは「治療の丁寧さ」「治療の手早さ」「話を良く聞く」である。 なお、「痛くない」「治療設備」は回答者の納得度が低いので、別途ドクターとしても力を入れる点であることが分かる。

DDLとは?

DDLは、株式会社ビズ・ナビ&カンパニー 早嶋聡史氏の協力のもと、プラネットが運営する「デンタルシャーロック」から一般の国民に向けて行っています。アンケート対象者は国民ですが、今後は歯科に関わるデンタルスタッフのアンケート結果も定期的に発信していきます。 ぜひ歯科医院の経営や戦略にお役立て下さい。


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監修

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー
マーケティング担当取締役
早嶋 聡史

早嶋聡史オーストラリア・ボンド大学大学院経営学修士課程修了(MBA)
D7 Partner's Clubメンバー向けに「DentalX活用術と売り上げアップ5つの視点〜入門編〜」講師を務め、中四国・九州地区にて好評開催中。


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